■その母親、不安定につき
子どもが決められた時間よりも長くゲームをしていた、あるいは楽器の練習をしていなかったことにブチ切れし、「見せしめのために長男と次男のDSを手でへし折った!」と声高らかに宣言した高嶋ちさ子氏の子育てコラムが東京新聞に掲載され、炎上したのは記憶に新しい(東京新聞「高嶋ちさ子さんの子育て日記」 子供の携帯ゲーム機をバキバキに壊して大炎上中)。クスッと笑える子育てコラムのつもりで発表されたであろうコラムだが、ゲーム機を親に壊されるというこれ以上ない悪夢にネット上のゲーマーはもちろん逆上。特別なゲーム愛はそれほど持ち合わせない読者でも、微笑ましい子育てエピソードなどというレベルではない、どこか虐待のにおいさえする内容に凍りつき、まして笑いになどならず、高嶋氏の親としての資質や人間性に疑問を唱える人々が続出した。

 

週末には、最近ネット上でラスボス的なご意見番の地位にある松本人志氏が「僕が自分の子どもがバイオリンをひいていてバキバキにしたら、高嶋さんは何て言うんでしょうね」(松本人志 高嶋のゲーム破壊に意見)とコメント。高嶋氏がバイオリニストであり、名器ストラディバリウスのオーナーであることも踏まえた上で、ゲーム機なら壊してもいいのかと、彼女の価値観や対応の偏りを皮肉っている。

 

逆に、同じくバイオリニストであり高嶋氏の友人の葉加瀬太郎氏は「もし彼女の人間性に何か言いたいのなら、まず彼女の音楽を聴いてからにしなさい。あんなに純粋で美しい音色を奏でられる人に悪い人がいるわけがないから」とツイートして、これまた炎上(葉加瀬太郎、ゲーム機バキバキ事件の高嶋ちさ子を擁護し炎上「美しい音色を奏でられる人に悪い人はいない」)。彼女の「偏り」をむしろ芸術家としては容認できるものとしていることに、「いや、音楽以前の人間性の問題だから」「人格破綻と才能はトレードオフだから許されるとでも言うのか」と反論が湧き起こり、この話題も「DSバキバキ事件」から「才能ある人間は人格破綻していていい発言」へと2周目に入った格好だ。

 

高嶋氏のコラムでは、子どもに向かって「あなたはゲームが一生できないことを嘆くより、ママからもう二度と信用されないということを心配しなさい!」と言い放ったそうだが、彼女こそ自らの激情で「危ない人」「人格に問題のある人」認定されて世間から二度とまともに扱われないこと、そして何より二度と子どもから信頼などされないことを心配すべきだ、とのネット上の厳しい声もある。

 

つまり結局、そういう不安定な性質を持った親の激しさに傷つけられながら育てられてしまう子どもの気持ちや受難は、ひとつも救われていない。……いや、高嶋氏に関して言うならばそれは不安定ではなく、むしろ最近のメディア出演では、子どもを過呼吸に追い込むほどの九九指導や街中での悪態、路駐車両を許せないゆえの落書き癖など、安定の「キレ芸」との指摘もあるようだが、初めこそ美人バイオリニストのギャップみたいな部分で面白がる向きもあったものの、面白がってもらえるのもさわりの頃だけ……。残念ながら、笑えないそれは「芸」ではない。