世界保健機関(WHO)が2月1日、喫煙シーンのある映画やドラマなどが若者の喫煙を助長しているとの調査結果を発表し、各国に「成人向け」にする措置を取るように勧告した。

 

いったい、どういう調査結果を基にして、こんなインネンを付けてくるのか呆れて物も言えないが、他の先進国同様、喫煙者をヒステリックなまでに攻撃する嫌煙者が激増する昨今の日本においても、さすがに「コレはやりすぎなのでは?」といった声が多いようで(Yahoo!の意識調査アンケートによると、「喫煙シーンのある作品、『成人向け』に指定すべき?」という質問に対し、「指定すべきでない」の回答が80%を超えた)、私自身が喫煙者であることを抜きにして、その世論風潮には内心ホッとしている次第である。

 

そもそも私は、最近のドラマや映画は喫煙シーンが少なすぎるとさえ感じていた。

 

たとえば、1970年代や80年代あたりの日本を舞台としたストーリーがあったとする。このころの日本人は歩き煙草、ポイ捨てなんて当たり前で、駅やヘタすりゃ電車の中でもプカプカ煙草をふかしている、今じゃあ考えられないマナー違反すらも珍しくなく、喫煙していない男性を見つけること自体が困難な時代だった……と記憶する。その煙たさ、煙草臭さのただよう“モヤっぽさ”が当時の一側面であり、せっかく街並みや自動車ほか諸々を忠実に再現しているのに、空気と演じている人間だけがクリーンすぎて、そこに少なからずの違和感を抱いていた。

 

ほぼ“現在の日本”を舞台とするストーリーで、「喫煙シーンが多すぎる」と批判を受けている映画が『劇場版MOZU』である。