初老にさしかかった今でも、よく見る夢が一つある。年に一度、一般社団法人日本野球機構(NPB)が主催するドラフト会議で、私の名前が呼ばれる夢である。

 

たとえ夢でも、それなりに身の丈をわきまえているのか、呼ばれる際はいつもドラ4とかドラ5とかで、球団はロッテだったり広島だったりするのだが、それでも指名されたときの喜びはひとしおで、春季キャンプで守備コーチが私の練習を眺めながら「お、コイツやるじゃん! 案外掘り出し物かも……?」などとニンマリしているシーンあたりで目が覚める。おそらく、一時期でも野球に真剣に取り組んでいた者なら一度は見る夢なのではなかろうか?

 

そんな我々野球人がベッドの上で密やかに楽しむ夢を、なんと40歳で実現させた男がいるらしく、いくつかのスポーツ紙もわりと大きなスペースを割いて紹介しており、ちょっとした話題になっている。

 

名前を杉浦双亮といい、球団登録名は「サブロク双亮」。「360°モンキーズ」というコンビ名で活動するお笑い芸人で、四国アイランドリーグplusのトライアウトを経て、今季から愛媛マンダリンパイレーツでプレイすることが決定した。

 

あの東京の野球名門校・帝京高校出身で、ピッチャーとして最高141キロの急速を誇ったが、制球に難があり、在校中3年間はベンチ入りさえかなわず。だが、高校卒業後の約20年間は草野球に身を投じ、ひたすら制球力を磨いてきたのだという。

 

ジャイアンツの新監督となった高橋由伸とも親交があるそうで、今回も「お互い頑張りましょう」とメールで励まし合ったとのこと。

 

「(高橋由伸も)監督になった以上、僕のことも一選手として見てくれてる。今年のドラフトに向けてアピールしていければいいですね(笑)」

 

と挑戦し続ける男は、NPBまで視野に入れる。