■マスクに依存する人が増えている!?
病院やカウンセリング・ルームでマスクをしている患者さんが増えているように思います。最初は、風邪やインフルエンザの予防のために着けているのかと感じていましたが、この背景には、さまざまな問題が隠れていることがわかってきました。

 

まず、社交不安障害の方はよくマスクをして来られます。社交不安障害とは、対人恐怖症として古くから知られている病気です。この病気は、「人からどう見られているか?」ということが気になり、対人場面・社交場面で過度に緊張をしてしまう病気です。

 

また、醜形恐怖症の方もよくマスクをして来られます。醜形恐怖症は、自分の顔が醜いとかたくなに信じており、その醜い顔を人から見られることをとても嫌う病気です。しかし、醜形恐怖症の方のほとんどは、いわゆる醜い顔ではありません。私自身、醜形恐怖症としてお会いした方は、全員、美男美女でした。

 

ただ、これら社交不安障害や醜形恐怖症、そのほか何らかの不安障害のためにマスクをする方は以前からいたように思います。しかし最近では、特に心の問題を抱えていない方がマスクをして、そのマスクに依存している“マスク依存症”の方が増えているように思います。

 

その方たちにマスクをしている理由を尋ねると、不安障害の方と同じように「人からの視線を少し軽減できる気がする」「自分がどういうふうに見られているかを意識しなくてすむ」とおっしゃいます。これは、マスクをそもそも着けようと思っていない方が、何らかの機会でマスクと出会い、その効果にとても甘んじているように感じます。