先般、夫の焼酎に毒物を入れて殺そうとした妻が逮捕されました。この毒物はリシンといい、半数致死量(摂取した人数のうち半分が死に至る量)は体重1kg当たり0.03mg、夫が70kgならば2.1mg(0.0021g)で殺害が可能となる猛毒です。小説やドラマでおなじみの青酸カリの半数致死量は体重1kg当たり3~7mg、過去に事件があって有名になったトリカブトの場合は0.2~1mgです。リシンは青酸カリの100~233倍、トリカブトの7~33倍という、非常に強力な毒だということになります。

 

容疑者はトウゴマ(別名:ヒマ)の種からリシンを抽出したということです。トウゴマはガーデニングで楽しまれるほど、どこでも手に入るものです。種から作られる「ひまし油」は広く普及しており、工業用の潤滑油や化粧品の材料にも使われています。こうした身近な植物に猛毒があることを知ると、自然の怖い一面を感じます。

 

自然界では、生物たちが生きるか死ぬかの生存競争をしているわけですから、毒を持って身を守る動植物も多いのです。そういう意味では、殺人のように故意に使われるということは別にしても、間違って摂取しないよう、十分に注意する必要があると思います。

 

毒があるキノコが多いことはよく知られているにもかかわらず、野生のキノコを採ってきて食べ、死亡するケースが後を絶ちません。キノコの専門家によると、野生のキノコに対する4原則は「採らない、食べない、売らない、人にあげない」ということだそうです。むろんスーパーで売っている物は大丈夫ですが、自分で採ってくることや、他人が採ってきた物をもらうことは絶対に避けましょう。