「亡霊が甦ったのか」と思った。報道によると、金融庁はキャッシュカードを使って店のレジから預金を引き出せるサービスを開始するという。ATMに行かなくても、街の商店のレジから自分の預金を引き出せるので、ATMが近くにない時などは非常に便利である。これはキャッシュアウトというサービスで、デビットカードに付帯するサービスとして欧米では広く利用されている。

 

デビットカードというのは、ご存じのように買い物をすると銀行口座から即時に引き落としになるカードで、キャッシュカード機能を持っているものも多い。日本では2000年にゆうちょ銀行とみずほ銀行が中心となってJ-デビットのサービスを開始している。一部銀行を除いてほとんどの金融機関が参加しているので、恐らくみなさんも手持ちのキャッシュカードを使えばそのまま買い物はできるようになっている。

 

しかし、J-デビットが普及しているかといえば、それほどではない。クレジットカード会社の協力が十分に得られなかったことや加盟店数が少ないこともあって、ここ10年間、大きな伸びはみせていない。

 

その苦境を打開するために、何度もキャッシュアウト解禁の話はでていた。キャッシュアウトを導入することで、ついで買いを誘ってデビットカードの取扱高を増やそうという狙いであった。

 

だが、そもそもデビットカード導入の目的が、現金主体の日本を早くキャッシュレス化させることにあったために、レジに大量の現金を置き、現金を手渡すというサービス自体、当初の目的に反するという声があがった。さらに、防犯面からも不安が大きいという声もあって、却下された経緯がある。だから、これはもう完全になくなった話と思っていたのに突然、浮上してきたので「亡霊が甦った」と思ったのだ。