ライフネット生命は、11月4日から同性パートナーを死亡保険金の受取人に指定できるようにすると発表し、ニュースになりました。同居の事実を確認するための住民票や同性パートナーであることを誓約する書類などを提出し、必要に応じて面談も実施し、審査が通れば認められるとのことです。同居期間などの条件を満たす必要はありますが、国内であればどこでも認められます(渋谷区と世田谷区が発行するような証明書は不要です)。

 

これまで死亡保険金の受取人は(保険金殺人などの不正を防ぐ意味で、法的にではなく、生保会社の内規として)配偶者や子ども、両親といった親族(2~3親等以内の血族)に限定されてきましたが、法的に相続などが認められないゲイカップルやレズビアンカップルにとって、せめてパートナーに生命保険を遺したいという願いは切実なものがありました。今回の決定は、同性パートナーも親族とみなすという意味で、たいへん画期的と言えます(拍手!)。

 

ライフネット生命以外にもアクサ生命が同様の対応をはじめたほか、日本生命や第一生命、アスモ少額短期保険も、パートナーを証明する書類があれば認めると発表しました(実はかんぽ生命は以前からOKだったそうです。民間で真っ先に道を開いたのは、生命保険信託の仕組みを活用して同性パートナーに託す方法を考えたプルデンシャル生命でした)。今後も国内の生保会社が続々と、これに倣うようになるでしょう。

 

みなさんご存じのように、日本では、男女のカップルであれば、国籍や民族、出自、障がいの有無、子どもの有無などに関係なく、どなたでも結婚できます。当たり前すぎて意識していない方も多いと思いますが、結婚とは、公に夫婦(家族)と認定されることによって、人生のさまざまな場面で優遇され、制度的、社会的な特典をパッケージで得ることができます。しかし、二人の戸籍上の性別が同じであるというだけで(たとえ完全に男女に見えるカップルであっても、一方が戸籍未変更のトランスジェンダーであれば)結婚することが許されず、ぼくらは「おめでとう」を言われる機会もないまま(周囲の友人たちにさんざんご祝儀をあげてきたのに)……。それってどういうことなのでしょうか?

 

先日、ゲイの劇団フライングステージが『Friend, Friends』というお芝居を上演しました。主人公のマサトは彼氏がいることを父親にカミングアウトするや勘当され、仕方なく彼氏のワンルームに転がり込むことに。一方、二人の友人のジロウは、渋谷でホームレス同然になっていました。聞くと、ジロウはしばらくダンナが買った家に住んでいたものの、突然ダンナが亡くなり、親族に家を追い出されたのでした。果たして彼らの行方は……?というストーリー。涙なしには観られない舞台でした。

 

ゲイやレズビアンのカップルの場合、まず、いっしょに住むということが大変です。部屋を借りる際に大家さんに断られることもありますし(「男どうしだと部屋が汚される」みたいなイメージもあるようですが、ゲイカップルってすごくキレイに使いそうって思いません?)、公営住宅にも入れませんし、社宅にいっしょに住むこともできず、家を購入しようと思っても共同名義でローンを組むこともできず、事実上いっしょに買って長年暮らしていた部屋も、名義人であるパートナーが亡くなったら、もう一方のパートナーは追い出されるかもしれないのです……。