■売れている人はみんな「周りに流されず、自分自身を信じている」人

 

――最近のお仕事の調子はいかがですか?

 

石井:今年に入ってようやく、初めてテレビでネタをやることができたんです。これは目標の1つだったので嬉しかったですね。次の目標は「自分が心からやっていて楽しいと思えるネタでテレビに出る」ということです。今まで作ったネタの中で、個人的にいちばん好きなのは「短足時代」というネタ。韓国のアイドル「少女時代」のパロディーキャラで、私が「短足時代」というアイドルを名乗って、短い足をさらけ出して踊る、っていうだけのネタなんですけど(笑)。

 

――これまでに、石井さんの身のまわりにいた芸人仲間が、ほぼ無名の状態から一気に売れていく過程も何度か見てきていると思いますが、そういう人たちの特徴って何かありますか?

 

石井:同じ事務所のあばれる君さんもやしろ優さんも、のちに売れている方って、昔から周りの目を気にしていないというか、ただ自分の信じることを最初からずっと続けてきた方なんですよね。若手の頃って、いろいろな噂話とか他人の評判とか意見が耳に入ってきて、どうしても振り回されがちになるんです。でもそういう声に流されて、周りを気にしてばかりの人はだいたい続かなくて、途中で辞めていってしまうことが多いんです。

 

やしろ優さんは昔から全然そういうことを気にされていない感じがしました。自分が面白いと思うことをただ素直に表現していて、それを心から楽しんでいるように見えるんです。今のように世に出る前から、「いつか売れたときのために、今はこういうライブをやっているんだよね」とか、そういうことをサラッと言っていて。そうやって、自分の心が求めていることと実際にやっていることのチャンネルがかっちり合っている人が、何かのきっかけで売れていくものなんでしょうね。

 

私自身、学生の時から「目標達成至上主義」みたいなものが身についてしまっていて。なかなかプロセスを楽しむことができなかったんですが、やっぱり「魂が喜ぶことを素直にやる」というか、猛烈な思いみたいなものが、笑いに繋がっていくのかなって、最近実感しています。

 

――石井さんの今の目標を教えてください。

 

石井:まずはもっともっと面白いネタを作ること。あとは、最近講演会に呼んでいただくことがあって、私の経験が少しでもだれかの役に立つのなら、と積極的にお受けしていて、そういう機会をもっと増やせたらと思います。そして2018年の平昌(ピョンチャン)冬季五輪でレポーターをすること! フィギュアスケートが昔から大好きなので、何とかそれを実現させたいですね。

 

 

東大卒、マッキンゼー出身という肩書きだけを見ると、エリート街道を突き進むバリバリのキャリア女性を想像してしまうかもしれませんが、実際の石井さんはそのイメージとは正反対。未知の世界で不器用にもがきながらも必死に知恵を絞り、次々に新しい課題に挑んでいく姿が印象的でした。前向きに仕事に取り組むその姿勢は、職種は違っても働く人すべてにとって参考になるのではないでしょうか。

 

●石井てる美さん/プロフィール
1983年、東京都出身。東京大学工学部卒業、同大学院修了。2008年、経営コンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニー・ジャパン入社。お笑い芸人になることを志し、2009年夏に退社。同年10月、芸能事務所ワタナベエンターテインメントのお笑い芸人養成所ワタナベコメディスクールに11期生として入学。現在、ワタナベエンターテインメント所属のお笑い芸人として活動中。TOEIC 990点、英検1級。著書に『私がマッキンゼーを辞めた理由―自分の人生を切り拓く決断力―』(角川書店)

 

WRITING:ラリー遠田+プレスラボ PHOTO:安井信介

 

いくつになっても必要なのは「下僕精神」?はあちゅうが出会った、“仕事がデキる人”の共通点

 

ビル・ゲイツ絶賛! Microsoft澤円氏の「結果を出すビジネス会話」6つの極意

 

【ドランクドラゴン鈴木拓】愛想笑いでいいから笑っとけ! 全力で媚を売れ! 鈴木式「才能がない人」の処世術