■【(2)思考のコントロール】「べき」の境界線を広げる

自分が怒っていても相手に伝わらないことは多々あります。それは、自分と相手との言葉に対する温度感が違うからです。コミュニケーションする相手と言葉のラベルに対しての共通認識を整えておく必要があります。

 

私たちは自分が考えるこうある「べき」という考えに対して、相手とのギャップができると人は怒りを感じます。例えば、夫は手伝ってくれる「べき」、子供は宿題をやる「べき」など。すべて「べき」に対して怒っていると考えると説明ができます。「べき」とは、私たちを怒らせるものの正体であり、自分の願望・希望・欲求を象徴する言葉です。自分の「べき」は何か、相手が思う「べき」は何か、周囲の「べき」を理解しておくと、相手の怒りが理解できるようになります。

 

世の中の「べき」は信じている人にとってはすべて正解なのですが、状況によって変わってきます。小さいときは「誰にでもきちんと挨拶すべき」と教えられてきたけど、都会では「知らない人に声をかけたら危ない」と言われます。小さいときのべきをかたくなに大人になってから守り続けてもつらいですよね。

 

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怒る必要があることと、ないことを区別する。それがアンガーマネジメントです。怒って後悔するなら怒らないほうがいいですよね。そのためには、自分と相手のべきの境界線を知ることです。簡単にそれをチェックできる方法があります。三重丸を書き、相手と「1.自分と同じ」「2.少し違うが許容可能」「3.自分と違うので許容できない」を同時に指し示してみます。

 

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例えば、みんな時間を守るべきだと考えていると思いますが、実際に10時集合と言われたときに、何時に来る「べき」かは、人によって感覚が違います。ある人は10分前、ある人は時間ぴったり、ある人は5分くらい遅れても許容範囲だったりします。気が早い人、のんびりしても怒らない人、べきは同じなのに、その感覚は人によって違うのです。また、日によって気分や機嫌が変わり、許容範囲が変わることもあります。

 

その感覚の差が理解できないと永遠に話が合いません。だったら、価値観を一緒にすればいいと思いがちですが、世の中すべてが同じ価値観だと社会が成り立ちません。

 

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違う価値観を持った人を許容できるようになることが望ましいのですが、自分の許容範囲は他人には見えないし、他人の許容範囲も見えません。だからこそ自分の許容範囲を広げる努力をし、かつ人によって境界線を変えてはいけません。

 

具体的には「そもそも」「ちゃんと」「しっかり」という言葉を使わない、相手に「せめて」「少なくとも」「最低限」どうしてほしいかを具体的に伝えることが挙げられます。