料理のレシピを紹介したサイトや書籍で、調味料として昆布茶を挙げることが多々あります。昆布茶はマイナーな商品とまではいかなくても、緑茶や紅茶に比べて多くの家庭に常備されておらず、困ることがあります。このようなときに、調味料の「味の素」が代わりに使えることをご存じでしょうか。その理由は、昆布茶と「味の素」の主成分が同じ物質だからです。

 

その物質は、L-グルタミン酸ナトリウムといいます。その名のとおり、L-グルタミン酸という物質と、ナトリウムという物質が結び付いて構成されています。L-グルタミン酸は、アミノ酸の一種です。アミノ酸には約500種類の物質があって、その中でも人間の生命維持に必要な20種類を必須アミノ酸と呼びます。L-グルタミン酸も、必須アミノ酸の一つです。

 

1907年、東京帝国大学(現・東京大学)の池田菊苗(いけだ・きくなえ)教授は、昆布の煮汁からL-グルタミン酸ナトリウムの抽出に成功し、それが「うま味」の正体であることを突き止めました。この抽出方法は「日本の10大発明」の一つといわれ、1908年には特許登録、その後、L-グルタミン酸ナトリウムに「味の素」という商品名が付けられ、現在に至っています。

 

生理学的には甘味、酸味、塩味、苦味に加えて、うま味が5番目の味覚とされ、これらを合わせて5基本味と呼びます。特に、うま味は日本で発見されたために、海外でも「UMAMI」と表記されています。

 

食品の成分表示では、平成23年に食品衛生法で「アミノ酸等」と一括して記載してもよいことが定められたため、L-グルタミン酸ナトリウムという単語を目にしなくなってきています。もちろん、その発見から歴史がスタートした「味の素」では、略さずしっかりと表記しています。