■自助努力が求められている
これまでに見て来たように、水害への備えには、都道府県や市区町村といった自治体によるさまざまなバックアップがある。もちろん、自治体では、住民を直接対象にしたサポート以外にも、さまざまな対策を講じている。

 

東京都では、「豪雨対策基本方針」を策定し、目標降雨を、区部で時間75ミリ、多摩部で時間65ミリと設定し、対策強化流域・地区を指定、河川や下水道などの整備を重点的に進めている。

 

世田谷区では、一定の規模以上の建造物に地上に流れる雨水の量をおさえる「雨水貯留浸透施設」の設置を義務化したり、半地下・地下住宅を建設する業者に浸水対策を講じたかどうかを報告させるなど、制度面での拡充を行っている。雨水を地面に浸透させる「浸透ます」や「雨水タンク」を設置する際の助成も行っている。

 

ただ、いざというときには自分で財産や命を守ることも必要だ。

 

「よく、側溝の雨水(うすい)ますをプランターや駐車場との段差を解消するためのプレートでふさいでしまっている光景を目にしますが、雨水が道路に溜まってしまうため、下水道のキャパシティはまだまだ大丈夫なのに、道路冠水となってしまうことも。枯葉が詰まったままにしておいても同様のことが起こります」(東京都 都市整備局 都市基盤部 施設計画担当課)

 

雨水ますをふさがないことは当然のこととして、普段から、側溝をこまめに掃除したり、雨の日の水の流れ方などを観察しておくことが、万が一のときのリスクを軽減してくれそうだ。

 

【画像5】プランターや段差解消プレートが、雨水ますをふさいでしまっている例(画像提供:東京都 下水道局)

【画像5】プランターや段差解消プレートが、雨水ますをふさいでしまっている例(画像提供:東京都 下水道局)

 

世田谷区在住の筆者の近所に「土のうステーション」ができたのが昨年のこと。わが家はマンションの1階で、床と道路面との高低差も、さほどあるとは思えないので、雨が降るといつもドキドキしている。今回の取材を終えて、早速、土のうをもらってこようと決心したところだ。

 

東京都豪雨対策基本方針(改定)
・下水道局からのお願い「半地下家屋等は浸水被害に十分なご注意を!
・世田谷区パンフレット「浸水被害を減らしましょう!

 

執筆:日笠由紀(ライター・エディター)

 

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