■半地下や地下に玄関や駐車場がある家は要注意
では、「洪水ハザードマップ」で特に浸水のリスクがないとされているエリアであれば、安心なのかというと、決してそうではない。

 

「高台でも、すり鉢状の地形になっているところにピンポイントに雨が降れば、リスクはあります。また、下水道管のある道路面より低い位置に住まいがあると、リスクはより高まります」(東京都 都市整備局 都市基盤部 施設計画担当課)

 

道路面より低い位置というと、具体的にはどんな住まいを指すのだろうか。

 

「半地下や地下に駐車場、玄関、居室がある住宅ですね。実は、都市型水害の被害の大半を占めるのが、このタイプの住宅なのです」(世田谷区 道路整備部 道路管理課)

 

雨量が下水管のキャパシティを超え、道路が冠水すると、真っ先に水が流れ込んでくるのが、道路面よりも低い位置にある半地下や地下室。水圧でドアが開かなくなり、避難できなくなることもある。今、住んでいるのがこのタイプの住宅なら、より危機感を抱いておく必要があるだろう。

 

■土のうや止水板、災害メール配信登録等の準備を
それでは、自分が住むエリアや住宅の水害リスクを知った上で、具体的に何をすればいいのだろうか。

 

「半地下・地下であれば、土のうや止水板をあらかじめ用意しておくこと。当区では、土のうはお住まいの近くにある『土のうステーション』から自由にお持ちいただけます」(世田谷区 土木事業担当部 土木計画課)

 

画像2が、その「土のうステーション」だ。区民が持ち帰った分は、区が補充するので、自由に家に持ち帰り、ストックしておいて構わないそう。半地下・地下に玄関や駐車場、居室がある住宅に住んでいるのであれば、早速、自治体に問い合わせたり、自分で調達しておいたほうがよさそうだ。

 

 【画像2】世田谷区が区内50カ所に設けている「土のうステーション」。土のうには5kgと10kgのものとがある (写真撮影:日笠由紀)

【画像2】世田谷区が区内50カ所に設けている「土のうステーション」。土のうには5kgと10kgのものとがある(写真撮影:日笠由紀)

 

道路から半地下・地下に下りる階段の一段目を一段高くしたり、止水板を準備しておくのも有効だ。止水板なら、普段は外しておいて、大雨のときだけ左右に設けておいた溝に取り付ければ良いので、半地下駐車場の車の出入りにも支障がない。

 

また、世田谷区では、「災害・防犯情報メール配信サービス」も実施している。自分が住んでいる自治体にそのようなサービスがあるなら、あらかじめ登録しておけば、万が一のときも正確な情報が入手できるため、より冷静に対策を講じることができそうだ。

 

【画像3】(左)道路から半地下の玄関までの間の階段の一段目を、道路面よりも高く設けた例。(右)半地下駐車場に止水板を設置した例(画像提供:世田谷区 道路整備部)

【画像3】(左)道路から半地下の玄関までの間の階段の一段目を、道路面よりも高く設けた例。(右)半地下駐車場に止水板を設置した例(画像提供:世田谷区 道路整備部)