2015年8月10日、検索エンジン大手のグーグルが、会社を分割し、持ち株会社制度を導入するという発表が世界を駆け巡りました。

 

各紙の報道では、グーグルは今後、新たに設立する持ち株会社「アルファベット」の下で、インターネット検索と広告事業を中核とするグーグルをはじめとして、自動車や住宅、医療など本業と関連性の薄い分野の新規事業は別会社を設立して、事業子会社としてビジネスを展開することになります。

 

これまで順調に拡大を続けてきたグーグルですが、なぜこのような組織をドラスティックに変更する決断をしたのでしょうか?

 

今回は組織戦略の観点から、その背景に迫っていきたいと思います。

 

■組織戦略を構成する2つの組織形態
組織というのは、仕事を効率化させるために重要な役割を果たします。

 

この組織を構築する際には、基本的に2つのパターンから選択していくことになります。それが、機能別組織と事業部制組織になります。

 

機能別組織とは、財務や人事、営業など個々の機能別にまとめられた組織です。この機能別組織は、それぞれの部署において担当する業務が細分化され専門化されていて、意思決定の権限が上位の管理者に集中するという特徴があります。

 

規模の小さい組織では効率性と生産性が高くなるというメリットがある反面、組織が肥大化してくると組織の細分化や階層化が進み、逆に生産性が低下するというデメリットもあります。組織が大きくなるにつれ、業務が縦割りになり、組織間の連携が難しくなってくるのです。

 

一方、事業部制組織とは市場や地域、プロダクトごとにまとめられている組織です。一つの組織で事業が完結するよう財務や人事、営業など多くの機能を含んでいて、それぞれの事業部を統括する本社機能を有しています。

 

この事業部制組織では、意思決定権限と執行権限を事業部ごとに委譲しやすく、特に大規模な組織では意思決定のスピードを速めることができるというメリットがあります。

 

ただ、各事業が独立してビジネスを展開するために、時として事業部間に対立を生む可能性があり、企業として全社的な意思統一が難しいことを考慮に入れておく必要があるでしょう。

 

このように、企業は自社の置かれている環境に応じて機能別組織と事業部制組織から適切なタイプを選択していく必要があるのです。