週に1度くらいのペースで会い、溜め込んでいた不安や寂しさを受け止めてもらっているうちに、春香さんにとって雄介さんは、なくてはならない存在になってしまっていました。2人でたまに会って、食事をしたり、映画を観たりするだけの関係でしたし、後ろ暗い気持ちはなく、不倫ではない、と関係を肯定していたそうです。

 

ところが、そんな関係が2年余り続いたころに、夫の茂樹さんに雄介さんの存在を知られてしまいました。春香さんは「不倫関係ではない」と、繰り返し説明しましたが、茂樹さんは聞く耳をもたず、弁護士を立てて離婚の話を進めているそうです。

 

春香さんは納得できないと言います。「ただ2人で会って、食事をして、話をするだけなのに……。夫はなぜ不倫を疑い、離婚しようするのだろう」と悩むものの、茂樹さんが離婚まで持ち出しているのに、雄介さんとの関係を解消するつもりはないとのこと。「夫も愛しているし、大切ですが、雄介さんは私の人生になくてはならない人なのです」と、どちらも失いたくないとのことでした。

 

いくら体の関係はない、セカンド・パートナーの関係だと言っても、本来のパートナーである夫や妻がそれに理解を示すというのは、レアケースと考えたほうがよいでしょう。パートナーの理解がなければ、離婚になってしまうケースが多くなるでしょう。

 

春香さんには、茂樹さんにセカンド・パートナーの存在を認めてもらうのは難しいと伝えました。ですから、雄介さんとの関係を解消して、茂樹さんとの夫婦関係を修復するか、茂樹さんの求めに従って離婚した上で、雄介さんとの関係を守るかの選択が必要、とアドバイスしました。ただ、雄介さんにも奥さんというパートナーがいらっしゃるので、簡単ではないこともお話ししました。「どちらかに決めるのは難しい」という、春香さんの戦いが厳しくなるのはこれからでしょう。

 

結婚した夫や妻の場合、生活を共にすることで、相手の欠点や嫌な面も見えてしまい、恋愛気分が冷めてしまうことが多いようです。でも、セカンド・パートナーの場合、相手の良い面だけを見て、自分の良い面だけを見せる関係でいることで、お互いに“良いとこどり”で付き合えます。また、あえて体の関係を持たないことで、心がつながっていると思いがちなのではと考えます。こうした「セカンド・パートナー」の存在が、男女どちらにとっても、日々の生活に潤いを与えてくれるものと信じている人が増えているのかもしれません。