緑のブロッコリーと白のカリフラワー。色はまったく違いますが、形はそっくりですし、つぼみである花蕾(からい)の部分を食べるということも共通しています。では、このふたつには色以外にどんな違いがあるのでしょうか。
実はブロッコリーもカリフラワーもアブラナ科の植物でキャベツの仲間です。地中海沿岸地方では紀元前2000年頃から自生していた野生キャベツの花蕾を食べており、これがブロッコリーの起源と考えられています。栽培が進むにつれて花蕾の部分が肥大して現在のブロッコリーのような形状になっていったのですね。一方、カリフラワーはブロッコリーが突然変異で白くなったものが起源とされています。これを栽培種に品種改良することで現在のカリフラワーができました。
つまり、ブロッコリーはカリフラワーの兄貴分のような存在ということですが、日本に渡ってきたのは、カリフラワーのほうが先でした。明治初期の頃に伝わり、そのクセのなさが日本人の口にあったようで広く普及しました。一方、ブロッコリーがよく食べられるようになったのは1980年代になって緑黄色野菜の人気が高まってからのこと。現在では人気はすっかり逆転し、生産量でもブロッコリーはカリフラワーよりはるかに多くなっています。
ちなみに最近見かけるようになったロマネスコもブロッコリーやカリフラワーと同じく花蕾の部分を食べる野菜。フラクタル図形のようなゴツゴツとした突起が特徴で、イタリアのローマで開発された品種です。このロマネスコはカリフラワーの一種ですが、味は甘みが強くてブロッコリーに似た風味がある両者の中間のような野菜になっています。
【アムール】後藤 祐輔さんの「ブロッコリーと小えびのアヒージョ」#料理サプリ