■生まれて初めての“いただきます”
生まれたばかりの赤ちゃんを素肌でお母さんのお腹に乗せると、懸命に足を突っ張って、這い上がろうとします。周りが余計なお世話をせずに見守ると、母親の乳首にたどり着きます。中には行き過ぎて、母親の顔の高さまで這い上がる子もいますが、誰に教わることもなく、自然に母親は胸の高さで抱こうとします。

 

さらにしばらくすると、赤ちゃんは母親の乳首を舐めます。中には本能的に乳首に吸着し、吸啜(きゅうてつ:sucking)する子もいますが、無理に乳首を吸着させる必要はありません。初めは舐めるだけで十分です。

 

赤ちゃんはお母さんの乳首、乳輪を舐めて、乳首周囲の常在菌群を口に入れます。これが生まれて初めての“いただきます”です。乳汁やミルクが胃腸に入って、胃酸や消化液が分泌される前に、母親の常在菌が腸内に届き、数時間の内に腸内細菌群の基礎を作ります。

 

かつて病院が用意するお産セットには清浄綿や消毒綿が入っており、授乳前に乳首を拭くように指導された時代がありますが、あれは間違いでした。健全な常在菌群を消毒してはいけません。ただし、私たちの手指、手の平、爪などは、健全ではない細菌が潜んでいる可能性が高いので、十分な手洗いが必要です。生まれたばかりの赤ちゃんは素手で抱えず、胸で素肌接触し、上から清潔な乾燥したタオルで覆って抱っこします。