■赤ちゃんが生まれてすぐにする大事なこと
赤ちゃんが生まれて最初にすることは産声を上げ、自分の力で呼吸を始めることですが、その次にする大事なことが「母と子の素肌接触」と「初めての“いただきます”」です。

 

■母と子の素肌接触
赤ちゃんは無菌状態の羊水の中で育ちますが、生まれると同時に、外界の様々な細菌にさらされます。この時、無垢の皮膚を適切な細菌群(母親の常在菌)で素早くコーティングすることで、他の細菌の侵入を予防します。生まれてすぐの母と子の素肌接触は、赤ちゃんにとって非常に大切です。

 

野生動物の番組で、生まれたばかりの羊水まみれの動物の赤ちゃんを、母親が懸命に舐めているシーンを見たことがあるでしょうか? 羊水を拭き取っているように見えますが、あれも実は、母親の口の中の常在菌群で赤ちゃんをコーティングしているのです。

 

母親の皮膚や口の中の常在菌群は、母親の免疫システムにとっては、長年のつきあいで免疫的に許し合った旧知の仲と言えます。赤ちゃんは生まれる時に、母親から受動的に血液中の免疫システムを譲り受けていますから、母親の常在菌コーティングによって、免疫的に許し合った皮膚の常在菌群と血液中の免疫システムをセットで引き継ぎます。

 

感染症は病原体と免疫システムの戦いです。常在菌と免疫システムが戦うことなく赤ちゃんに移行するためには、常在菌コーティングは、必ず母親の常在菌群でなくてはならないのです。

 

この常在菌群は、数10~100種類の細菌がお互いに共存してきた集団です。赤ちゃんの皮膚が母親の常在菌群でコーティングされると、未知の細菌の侵入を最小限に防ぐことができます。やがて、赤ちゃんが自分自身の免疫を獲得することができるようになるまでは、重要な感染防御機構です。