最近、一方的に自分の主張ばかりをしたり、価値観が違う相手を攻撃したり無視したり、相手の立場や、自分と異なる考え方の人を尊重しないような風潮が気になっています。

 

せめて自分はそういうことがないように、「相手の立場を考える」ということを、常々意識するようにしていて、自分では実行しているという自負もありましたが、それは、ただ自分がそういうつもりになっているだけではないかと、考えさせられることがありました。

 

それは「めでたし、めでたし?」というタイトルの、ある広告コピーを目にしてのことです。

 

「ボクのおとうさんは、桃太郎というやつに殺されました。」という子供が書いた文字に、涙を流す子鬼のイラスト、合わせて「一方的な『めでたし、めでたし』を、生まないために。広げよう、あなたがみている世界。」というメッセージが記されています。

 

これは、日本新聞協会広告委員会が開催した「2013年新聞広告クリエーティブコンテスト」の最優秀賞、東京コピーライターズクラブの2014年TCC賞最高新人賞を受賞した、コピーライターの山﨑博司氏の作品です。

 

山﨑氏がこのコピーを考案したきっかけは、シリア内戦に対するアメリカの軍事介入だったそうで、「世界にとって“正義”であると世の中は思っていたのかもしれない。しかし、限られた情報の中で、ものごとを一方的に決めつけてしまうことが本当に正しいのか。それを桃太郎の話に重ね合わせて世に問いたかった」とのことで、政治的アピールや反戦運動をしたかったわけではなく、“物事を様々な側面から考えること”、“相手の立場に立って考えること”の大切さを伝えたかったということでした。