焼酎のラベルを見ると、同じ文字で「白」と「黒」があったり、「黒麹仕込み」とかいてあったりする。これは、焼酎造りに使う「麹」の種類を表したもの。焼酎通なら「黒がいいんだよ」とか「白はあっさり、黒はしっかり」などと焼酎選びの目安にしするのだ。さて、この「白」と「黒」の「麹」、どう違うのかを検証してみよう。

 

■九州は「白」、沖縄は「黒」
焼酎は蒸留酒だけど、蒸留前には「もろみ」とよばれる、いわば醸造酒を造る。このもろみを造るときに「麹」が必要なのだ。「麹」とはカビの一種。醸造酒造りには欠かせない微生物だ。麹の働きは、米や麦などの穀物の「デンプン」を「糖分」に変えること。焼酎でもこの作業がある。麹の働きや日本酒の麹については“おしゃれ日本酒生活”を見てね。

 

「麹」には、いくつか種類がある。まず、沖縄の泡盛を造る「黒麹」。「黒麹」の使用は泡盛の定義にもなっている。見た目も真っ黒で触ると手が黒くなる。

 

「黒麹」は、泡盛のルーツであるシャム・アユタヤ王朝(現在のタイ)の伝統蒸留酒「ラオロン」とともに約500年前にもたらされたもの。歴史ある「麹」なのだ。気温も湿度も高い亜熱帯のタイでは、もろみが雑菌におかされてしまいがちなので、雑菌に強いクエン酸を大量に生み出すパワー満点の「黒麹」を使っていた。同じく亜熱帯気候の沖縄でも同じように「黒麹」は泡盛造りにとって使い勝手のいいものだったのだ。

 

その後、「黒麹」の突然変異で生まれたのが「白麹」。時は、大正時代。「黒麹」からすれば最近の話ともいえる。名前のとおり白っぽい色をしているが、「黒」同様、比較的パワーのある麹として、高温多湿の九州で使用されるようになった。現在、九州地方の焼酎のほとんどはこの「白麹」だ。

 

しかし、九州でも「黒麹」を使って焼酎造りは出来る。「白麹」との差別化をはかるために、最近とみに増えてきたようだ。ちなみに日本酒(清酒)を造るのは淡い黄味がかった緑色の「黄麹」。これも“おしゃれ日本酒生活”を見てね。