土曜日に東京スリバチ学会の街歩き後の懇親会に参加してきた。どうしても会いたい人、聞きたいことがあったのだ。それが少し前の東京新聞が報じていた防災集団移転促進事業での地盤の強度不足。

 

報道によると「住民に宅地を引き渡した後に地盤の強度不足が判明し、自治体が補強工事を実施したり、工事費を負担したりするケースが出ている。これまで工事費は住民の自己負担となるケースがほとんど。自治体がどこまで造成責任を負うのか、理解しにくい状況が続いている」と前文があり、続いて宮城県気仙沼市での例が挙げられている。

 

それによると、市が造成した土地を引き渡した後、住宅業者が強度不足を指摘、市は国の強度基準を満たしているとしたが、擁壁工事に伴う土の埋め戻し部分が不十分と認め、市が補強工事をしたという。

 

その他、いくつかの自治体が財政負担をしてはいるものの、多くの自治体では国の強度基準を満たした場合、補強工事、財政支援には応じていない、不公平だという。

 

しかし、問題はそこではない。こりゃ、一度専門家に話を聞かねばと思った。というのは、一般的な一戸建て建設の場合に行われる地盤調査、スウェーデン式サウンディング試験は人工的に作られた地盤に関しては判断を下すことができない。

 

「自然の地盤についてはどのくらいの強度があるのかを調査する方法があるし、法律もそれに則って計算式などを定めています。ところが、人工の地盤についてはその計算式が当てはまらない。安全か、安全でないかがそもそも分からないのです」とは、先日の夜、話を聞いた住宅地盤調査・設計施工主任技師の高橋和芳さんと以前、記事を作った際に聞いた言葉である。

 

とすると、今回造成されたあちこちの土地はそもそも安全かどうかが判断できない土地ということになる。そこに家を建てて地盤沈下などがあったら困ると、今回の報道でも「住宅業者は造成地で地盤沈下などの補償を迫られることを心配し、補強を勧める傾向が強く、住民が工事費百万円前後を負担している」と住宅を建てるサイドの懸念が書かれていた。