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サントリー食品インターナショナルは果汁入り炭酸飲料「レモンジーナ」の販売を一時休止すると発表した。同社によると、2015年12月末までの販売計画100万ケースを、3月31日の発売からわずか2日で125万ケース出荷と年間目標を上回ってしまったとのことだ。予想をはるかに超える販売量となり、安定供給ができないため、生産体制が整うまで、出荷を休止するというものだ。しかし発表とは異なり、4月2日の時点で私が都内のコンビニを何店舗か視察した中では、レジ前の棚や飲料棚に大量のレモンジーナが置かれている状況があった。一体、このニュースの裏はどうなっているのだろうか。マーケティング視点で迫ってみたい。

 

■「品切れ」発表で考えうる2つの可能性

年間販売計画を2日間で超えてしまったという発表が4月1日に発表された。まさにエイプリルフールのような事態。気になるのは、この「品切れ」は販売計画の見通しの甘さによるものなのか、それともわざと販売数量を絞り品切れさせた戦略によるものなのかという点だ。この点についてご説明していきたい。

 

■オランジーナのケース

まずレモンジーナを分析する前に、2012年に発売された「オランジーナ」の例をご覧頂こう。名前が示す通り、レモンジーナの兄貴分にあたるような存在であり、リチャード・ギアが出演しているCMでもおなじみだ。レモンジーナとは味は異なるが苦みを残すといったテイストやパッケージはほぼ一緒。ターゲットもほぼ一緒と言って良いだろう。発売は2012年3月27日。オランジーナの発売当初の年間計画数量は200万ケースだった。ところが1ヶ月後に年間計画を達成してしまったため、夏には年間販売計画を当初の4倍にあたる800万ケースに引き上げたのだ。当然ながら、当初の計画よりも生産工程も強化した。

 

ここでまず注目したいのは、レモンジーナの最初の年間販売計画がオランジーナの半分程度と少ないことだ。また最終的にオランジーナが年間販売数量を当初予定の4倍にしたことを踏まえるとレモンジーナの年間販売計画はオランジーナの8分の1程度しかないことになる。

 

テレビCMや電車の車内広告など、レモンジーナの発売とともに広告にも力を入れている。仮にサントリー食品インターナショナルにとってオランジーナがメインでレモンジーナがサブ的な扱いだったとしても、この数量差はあまりにも大きく、違和感がある。ここから推測出来るのは、サントリー食品インターナショナルは、レモンジーナが品切れになっても許容しようとどこかで考えていたのではないかということだ。本当に精査して作った年間販売計画が100万ケースだとしたら計画とは呼べないほど甘い見込みだと感じるのは私だけではないだろう。