今回のテーマは、「夢」と「憧れ」の違いについて。この両者は似た概念ではありますが、そこには決定的な違いがあると私は考えます。しかし、この両者を混同してしまっている方が意外と多いのです。

 

そこで今回は、「夢」と「憧れ」の決定的な違いを洗い出してみたいと思います。

 

■「夢」は自分だけのもの

夢とは、個人の願望そのもの。「自分と世界をこう変えたい」という強い意志です。そして夢には明確な形がなく、その夢を形にするために「仕事」が必要となります。つまり、仕事というのは夢を達成するための手段に過ぎません。さらに言えば、夢を達成するための手段(=職業)は無数に存在します。

 

例えば、多くの人に感動や希望を与えられるような人間になりたいという夢を持ったのなら、それを達成するための手段は小説家かもしれないし、プロ野球選手かもしれないし、俳優かもしれません。もしかすると、現代に存在するどの職業でも達成できない可能性すらあります。

 

ここからわかることは、たとえ同じ職業であったとしても、夢が同じとは限らないということです。逆に、全く違う職業であっても同じ夢を追っていることも有り得ます。

 

要するに、夢には一人一人違った形があり、自分でしか持つことができないのです。

 

■「憧れ」は他人のもの

憧れとは、心理学の用語では「モデリング」と言います。

 

何かしらの対象物を見本(モデル)に、そのものの動作や行動を見て、同じような動作や行動をするのがモデリングである。

 

出典:モデリング(心理学)-Wikipedia

 

子どもは、親や周囲の人間の真似をすることで成長していきます。自分より優れている見本(モデル)に近づこうとすることで、自分自身のレベルアップを図っているのです。

 

この憧れというのは、自分を見本に近づけようとする意思であり、そう思う人は他にもたくさん存在します。つまり、憧れはその人自身のものではなく、既に誰かが持っているものを自分も欲しいと感じることなのです。