久しぶりにまた見た。名作「007 ロシアより愛を込めて」。007シリーズのなかでも特に人気の高い作品だ。カッコいいんだもん、ショーン・コネリー。そして知的でセクシーなダニエラ・ビアンキ。そしてマット・モンローが歌う印象的な音楽。

 

ワインファンとして気になるのは、なんといってもこのシーン。オリエント急行に乗ったボンドとその妻を演じるロシア女スパイ、タチアナ。そしてそれを追う敵グラント(ロバート・ショウ)の食堂車での食事シーンだ。

 

■舌平目に赤ワイン、やはり、貴様、スパイか……
ボンドは、「I have a Grilled Sole(舌平目のグリル)をいただこう」という。それに従う妻と敵のグラント。

 

ワインはどうするかと給仕。リストを眺めつつボンドは、「A bottle of Blanc de Blancs(ブラン・ド・ブランを一本)」と注文。つまり、シャンパーニュだ。カッコいいね。

 

そこでグラントは、「ぼくはChainti(キアンティ)を」と注文。「Chianti? White?(白ですか?)」と聞き返す給仕。「No! Red Wine(いや、赤ワインだ!)」とグラント。イタリアを代表する赤ワイン、キアンティ。キアンティに白ワインはない。だけど、ここで給仕はあえて白ワイン?と聞いている。演出上、赤と白のワインの色を印象付けるためだろうか。

 

ともあれ、舌平目に赤ワイン。よく見るとこの注文の瞬間、ちらり、ボンドの目が光るのだ。食事中にシャンパーニュに睡眠薬を入れられタチアナが眠り込んでしまう。その間にボンドとグラントが激しく戦う(タチアナ、起きない!)。その戦いの中で、ボンドは「やはり、貴様、スパイだったか。舌平目に赤ワインを合わせるなど、どうもおかしいと思った」などと言う(友田訳)。

 

さっすが~、ボンド。そういう食事のマナーで敵か味方を見分けちゃうのね。