マクドナルド叩きが若干収まった。異物混入騒動があった際には、品質・衛生管理面だけでなく、会見に出席しないカサノバCEOのスタンスへの批判も多く出た。ところが、それ以降は批判が大きくなることはなく、落ち着いた状況を保ってきている。このような状況の変化が生まれた背景には「消費者心理」が大きく働いている。

 

■「最初の公表者が叩かれる」という消費者心理
批判が収まった理由の一つは、マクドナルドで異物混入騒動が発覚した後、他のさまざまな企業にも、類似のケースがあることが発覚した。ただ、後追い発表の企業は大きな批判を受ける事態には発展しなかった。

 

かつて阪急阪神ホテルズに端を発した食品偽装問題でもそうだったのだが、最初に問題を公表したところは消費者から大きな批判を浴びてしまう。阪急阪神ホテルズの場合、社長が辞任する事態となった。ところが、それに続いて発表したところは、それほど大きな批判を受けることなく、社長の辞任といった事態もなかった。消費者の立場からすれば「他のところもやっていたのか」とか「またか」という残念感が残ったからだ。

 

今回の異物混入騒動も同様だ。他のところも公表したことによって、食品偽装問題の時と同じような心理状態が消費者に働いた。その結果、マクドナルドだけを叩く風潮は収まった。興味深いことに、マクドナルドを擁護するような論調が増え始めているのもこのあたりからだ。

 

■「マクドナルドだから大きく叩かれる」という消費者心理
もともとマクドナルドほど日本人に愛されたファストフードはなかった。マクドナルド離れが起きたのは直近5年程度だ。それまでのマクドナルドにとって、ロッテリア・モスバーガーなどのハンバーガーチェーン、吉野家・すき家などの牛丼チェーン、デニーズ・ガストなどのファミレスチェーンは競合相手ではなかった。消費者にとってマクドナルドは唯一無二の存在だったのだ。

 

だからこそ、問題が発覚してから、消費者は「裏切られた」という気持ちを強く持ったのだ。マクドナルドへの愛情が強かったからこそ、その分裏切れた感も強くなってしまった面がある。その結果、批判の声も大きくなったのだ。