世の中には「ファンの多い会社」があります。魅力的な商品やサービスのファンになってくれるお客様とともに、自社の製品や職場環境や人間関係に愛着や誇りを持ってくれる自社の社員も会社のファンの一員といえます。

 

会社に多くのファンがいるという事は、それだけ多くの喜びや楽しみや、やりがいや思い出を、会社という存在が周りに与えてきた証しだと思います。
働いている人たちやお客様にそう思ってくれる人たちがいるというのは、会社にとっては本当に幸せな事ですし、簡単には作り出せない財産です。また苦しい時ほどこういう人たちが力になってくれると思います。

 

社員と会社の関係というと、これは本当に千差万別です。愛社精神が目一杯旺盛な会社もありますし、働いている社員すら自社のファンでない会社もあります。私のように人事に関わる者が一番悲しいのは、この後者のような場合です。

 

本来「協調関係」にあるべき会社と社員が、「緊張関係」にあったりします。“きょうちょう”と“きんちょう”は平仮名で書くとちょっと似ていますが、意味はやっぱり大きく違います。

 

そうなってしまう理由はいろいろあると思いますが、きっかけは会社側にある事が多いように感じます。会社と社員の関係作りの主体は、やはり会社側にあると思うからです。

 

例えば経営的に厳しくなり、社員にも負担を強いる施策を実施せざるを得なくなったとして、強く反発されたり理解を得られないという時、それ以前の関係作りが十分でないことに原因があったりします。
「良かった時は何もなかったくせに、困ったらこれか!」などと言われるとすれば、「困ったときはお互い様」と社員が思える振る舞いをしてこなかったせいがあるでしょう。利益還元、処遇改善、設備投資、人間関係作りなどが適切でなかったのではないでしょうか。

 

例えば今まで積極的に社内の情報開示をしてこなかったために「何か隠しているに違いない」と思っているのかもしれません。情報開示はしていても、それを理解できるだけの説明、教育をしてこなかったせいかもしれません。
他にも例はたくさんありますが、やはりいずれも、事の始まりは会社にある事が多いのではないでしょうか。

 

「ファンの多い会社」は基本的に業績も良い会社が多いです。そのファンの中には当然社員も含まれています。ファンを増やすことが業績につながると考えれば、「社員を会社のファンにすること」もとても大切な事であると思います。