その時、ステージのそでから「ジョニーさん、入ります」の大声が。待って、待って、待ちわびた瞬間だった。

 

余裕の笑みで両手を大きく広げながら、ステージ中央に入ってくると、ジョニーさんは会場を見渡し、「OK、OK」と。そしてくるりと後ろを振り向いたジョニーさんは僕らに「おはよう!」と笑顔を見せた。

 

「なにがOKなんだよ、なんでおはようなんだよ」と泣きそうになったけど、まるで窮地でヒーローに会ったみたいに、安心した僕の体から力が抜けていった。よく考えたら、窮地に追いやったのはジョニーさんその人だったのだけど。

 

「ヒア・ウイ・ゴー!」「ファンキー・モンキー・ベイビー!」と叫び、あの有名なイントロが流れる。妙な空気になっていた客席は一瞬にして興奮のるつぼだ。そこにいるのは偉大なロックスターに違いなかった。

 

公演の後、遅れた理由を聞いてぶっとんだ。時間があるからと入ったゴルフ練習場で、練習に夢中になってしまい気がついた時にはあの時間だったのだそうだ。このあたりを正直に話してしまう人だから、周りからあれほど愛されたのだろう。

 

きっとジョニーさんは、天国でも無邪気で、周りの人をハラハラさせながら、多くの人に愛されているに違いない。ジョニー大倉さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。