ところが、新幹線の延伸開業に伴い、新たな列車名が相次いで登場しているが、2011年の東北新幹線最速列車に「はやぶさ」、全線開業した九州新幹線には「みずほ」「さくら」の愛称がよみがえった。ブルートレインの愛称は格式あるものとして別格扱いの感があるが、それらが相次いで復活したことから、「富士」はどうなるのだろう、との思いが鉄道ファンの間に広がっているのは事実である。

  

「あさかぜ」は夜行列車にこそふさわしい名称であるから、高速列車として蘇ることはなさそうで、「富士」の去就に注目が集まっているのだ。最後はブルートレイン「富士・はやぶさ」として東京~門司を併結して走った列車のうち「はやぶさ」が復活しただけに、「富士」は何らかの「大物」列車の愛称のために取ってあるのだ、だからリニアで復活するのでは、との想像は、ある意味論理的かもしれない。

 

 

 寝台特急「富士・はやぶさ」

 

ところで、リニア中央新幹線には、東京(品川)と名古屋間をノンストップで走る列車と途中の各駅に停車するいわゆる「こだま」タイプの列車が走る予定だ。東海道新幹線が半世紀前に開業したときには「ひかり」と「こだま」の2つの愛称があったことを考えると、列車名は2つ用意したほうがよさそうだ。では、ノンストップ列車を「富士」とすれば、各駅停車の愛称はどうするのか? 素朴な疑問が起こってくる。

 

 

蒸気機関車C62形2号機

 

中央新幹線とは名乗っていても、リニアは東海道本線、東海道新幹線の延長線上にある日本を代表する幹線である。その歴史を振り返ってみると、「つばめ」とともに活躍した特急列車「はと」の存在が偲ばれる。機関車牽引の客車時代には「つばめ」同様最後尾には展望車が連結された格式ある列車、その後、電車特急として東海道本線そして山陽本線を行きかい、岡山~下関間の列車として活躍した後、1975年に引退し、愛称は復活しないままだ。

 

リニアの列車愛称には日本を代表する名前がふさわしいとの考えには賛成で、「富士」というのも決して不似合いではない。そして、そのペアとなるもう一つの愛称には「はと」はどうだろうか? いずれにせよ、JR東海が列車名を決めるのはまだまだ先のことで、どんな愛称がつくのか、あるいは航空機の便名のようにアルファベットと数字の組み合わせだけの味気ないものとなるのか、発表を今から首を長くして待ちたいものである。