脳震盪とは、外部からの衝撃を受けたことによって頭蓋骨に囲まれている脳が揺さぶられることで起こるもので、さまざまな症状が出ます。また、直接的に頭をぶつけていなくても、大きく首をふられて頭が回転するような状況でも起こります。相手との接触が多いラグビーやアメリカンフットボール、そして格闘技系競技はもちろんのこと、どのようなスポーツ競技でも起こり得るもので、時には命の危険にさらされることもあります。

 

ですから、プロでもアマチュアでも学生でも、そして選手だけではなく、それを支える関係者のすべての人が、脳震盪について知っておくべきでしょう。

 

脳震盪の症状は、意識を失うことや物忘れだけではなく、頭痛や眼の焦点が合わなかったり、うつろな表情に見えたりするというもの。一見、正常に見えていても、頭の中で出血していることもあります。2013年12月、日本脳神経外科学会ならびに日本脳神経外傷学会は、「スポーツによる脳損傷を予防するための提言」を公表しました。

 

1-a. スポーツによる脳振盪は、意識障害や健忘がなく、頭痛や気分不良などだけのこともある。

 

1-b. スポーツによる脳振盪の症状は、短時間で消失することが多いが、数週間以上継続することもある。

 

2-a. スポーツによる脳振盪は、そのまま競技・練習を続けると、これを何度も繰り返し、急激な脳腫脹や急性硬膜下血腫など、致命的な脳損傷を起こすことがある。

 

2-b. そのため、スポーツによる脳振盪を起こしたら、原則として、ただちに競技・練習への参加を停止する。競技・練習への復帰は、脳振盪の症状が完全に消失してから徐々に行なう。

 

3. 脳損傷や硬膜下血腫を生じたときには、原則として、競技・練習に復帰するべきではない。

 

スポーツによる脳損傷を予防するための提言

 

そして、最近注目されているのが「セカンドインパクト症候群」です。最初に頭痛や吐き気だけの軽微な脳震盪を起こし、数日から数週間後に、再度、頭をぶつけるようなことをした場合に、死に至るような脳の腫れを起こしてしまう場合があるのです。ですから、脳震盪を起こした場合の競技復帰は、医師の診断を受け、慎重に判断されなければなりません。