一方、本の中に描かれていないだけで、「そんな……日本のためになんか働きたくなんてねえし!」「こんなに働かせるなんて……ありえないっしょ!?」と思っていたやさぐれた人もきっといたはずだ。

 

そうした人が「仮に」多数派を占めていたとすれば、国岡商店は現代でいう「ブラック企業」となり、また違った展開になったんだろうけど、小説だしそんな展開にはなるわきゃない(笑)。

 

結局のところ何が言いたいのかというと、「ブラック企業と言われてしまう会社と、言われない会社の境界は、その企業風土に染まった人が多数派を占めるかどうかで決まる。仕事量の多少がブラック企業と判断する物差しになるわけではない」ということかな。

 

会社を辞める前に、自分が、会社の中の多数派と少数派、どちらに属しているのか客観的に眺めてみるといいかもしれませんよ。ひょっとしたらただの自分のわがまま、ないものねだりなのかもしれないから。

 

本は面白かったです。次は『永遠の0』かな。