空き家を積極的に活用しようとする取り組みもあります。使われなくなった空き家を、借り上げた自治体や、空き家の持ち主本人が大家さんとなり、基本的に、原状回復の義務なしで賃貸するという方法。入居者はDIYでリフォームします。空き家にとっても、入居者にとってもハッピーでユニークな賃貸借住宅で、いいですね。

 

ただこれは、いまある空き家の利用方法で、直接的に空き家を減らす手段にはなりません。

 

空き家が増えていくメカニズムはわかっています。税制や人口減少などの要因もありましょうが、ようは住宅を造りすぎているのです。

 

住宅の生産は、家電や自動車と同じく、我が国の産業構造の中にガッチリ組み込まれてしまっています。造りつづけていないことには、経済が回らないのです。それは、景気状況の判断として、住宅着工数の推移や比較が取り上げられていることからもわかります。

 

日本の住宅政策で、住宅総量目安にて、毎年の住宅着工数をコントロールしては、という考え方もあります(※参照:『「空き家」が蝕む日本』長嶋修・ポプラ社)。

 

無計画に、住宅はとにかく造らんかな売らんかなではなく、西欧の多くの国のように、10年間の住宅需要や住宅建設見込みを推計し、10年間でどれくらいの数の新築住宅を建てるのかといった、大まかな計画をたてるのです。

 

かりに、10年で世帯数の10%分の住宅を造ることにすれば(人口動態などを考慮せず単純に計算すると)100年で全世帯分の住宅ができることになります。

 

住宅の寿命を100年程度とすれば、そのサイクルと一致するというわけです。もちろん、住宅の寿命や割合をどのように設定するかは、各国の判断で決められます。合理的で、よい考え方ですね。