上司:「俺たちゃ葬儀屋じゃなえんだぞ! 何千万もする不動産という商品を売ってるセールスマンなんだよ! いつまでそんな暗いトーンで電話に出てんだ、ボケ!」

 

ボク:「……すみません」

 

こんなやりとりが、かかってきた電話にボクが出るたびに繰り返されていた。電話に出るたびに同じようなやりとりが繰り返されていると、段々受話器を取るのが怖くなり、なるべく電話を取ることが怖くなってきた。すると……

 

上司:「なんで事務員に電話取らせてんだ! 下っ端営業マンのおめえが誰よりも早く取れよ!」

 

と言われるため、電話に出ない訳にもいかない。自分では可能な限りに声を張り、トーンを上げ全力で前のめりに電話に出るのだが、いつまでたっても、その上司の要求するレベルには達しない。……というか、これ以上のテンションで電話に出るのは、常識的にはありえない。

 

「いったい……彼はどんなレベルを求めてるんだ!?」

 

と思っていた矢先、電話が鳴った! RRRRRRRR……ガチャ!

 

上司:「ありがとうございます! ○○不動産のZがお受けいたしますっ!」

 

事務所にいた誰もが振りむくような、馬鹿でかい声で、その上司がかかってきた電話に出たのだ!