●3.利益が出るかどうかが不透明な場合

企業として取り組む価値はあるが、現状では利益が出るかどうかは不透明だという場合もあるでしょう。このような場合、自社単独でソーシャルビジネスに取り組むなら、大きなリスクを抱えることも考えられます。そこで、確実に利益を上げることができるかどうかがわからない場合は、外部組織、たとえばNPO団体や政府の支援を仰げば、リスクを最小限に食い止めてビジネスを展開していくことが可能になります。そして、ある程度ビジネスとしての確度が高まった段階で、事業を自社内の組織に取り込んでいけばいいのです。

 

●4.利益が出ると確信しても専門知識が不足している場合

社会問題を解決しながら、なおかつ事業としても十分に成り立つことが予測できても、自社だけでソーシャルビジネスを成功に導く専門知識や能力を有していない場合もあるでしょう。そのような場合、もし外部の社会起業家に卓越した専門知識や能力を有した者がいれば、全面的にバックアップすることを約束し、提携して事業に取り組むことができます。まずは後方支援という形でソーシャルビジネスをスタートし、サポートを通して事業を成功に導く専門知識や能力を培っていけば、いずれは自社のみで事業に取り組むこともできるようになるのです。

 

このように、社会問題の解決に取り組みながら自社の利益につなげていく共通価値を生み出すためには、状況に応じた組織戦略も重要な鍵を握ることになります。すべて自社のみで遂行するのではなく、時には支援や提携など様々なオプションを踏まえて、ソーシャルビジネスの展開を図ることによって、成功の確率も飛躍的に高まることにつながっていくのです。

 

■今回のMBA講座のまとめ

社会問題の解決に取り組みながら利益を上げるソーシャルビジネスで成功を収めるために適切な組織戦略として次の4つのパターンが考えられる。

 

(1) 確実に短期的な収益が見込める場合

→自社の中核事業として取り組む

 

(2) 利益は確実に上がる見込みだが時間がかかる場合
→当初は半自立的な別の組織で開始し、軌道に乗ったら自社内に取り込む

 

(3) 利益が出るかどうかが不透明な場合
→NPO団体や政府の支援を仰ぐ

 

(4) 利益が出ると確信しても専門知識が不足している場合
→外部の社会起業家を支援しながら自社内にノウハウをため込む