(その1、その2の記事はこちら)

 

さて、これまで社会的な問題を解決しながら利益を上げる“共創戦略”を成功に導くために重要な5つの要素のうち、3つまでをお伝えしてきました。

 

1.企業の使命は「社会問題の解決である」という意識を強く持つ
2.顧客のニーズを掘り下げ、独自のビジネスモデルを築く
3.共通価値を測定する指標を定める

 

今回は4つ目の要素として、『社会問題の解決を適切な組織で取り組む』をお伝えしていくことにしましょう。

 

■4.社会問題の解決を適切な組織で取り組む

通常の事業と同じように、企業が社会問題を解決し顧客との共通価値を生み出す事業=ソーシャルビジネスに取り組む際にも適切な組織戦略が求められます。ソーシャルビジネスにおいて、特に問題になってくるのが“収益”でしょう。社会問題を解決することを優先させれば、コストばかりがかかって収益がまったく上げられないということも十分あり得るからです。

 

そこで、“事業の収益”を軸に、ソーシャルビジネスの組織戦略を検討すれば、次の4つのパターンが考えられます。

 

●1. 確実に短期的な収益が見込める場合

自社がすでに社会的な使命を掲げ、どのような社会問題に取り組むのかも明確で、収益の上がるビジネスモデルが構築できている場合は、ソーシャルビジネスといえども確実に収益を見込むことができます。たとえば、太陽光発電事業などは原子力発電に替わるクリーンエネルギーを推進するソーシャルビジネスといえますが、政府が一定の価格で買い取りを保証していて、買い取り価格以下のコストで発電ができるのなら確実に収益が見込める事業といえます。このような場合、企業は中核事業として既存の組織でソーシャルビジネスに取り組むことができるでしょう。

 

●2.利益は確実に上がる見込みだが時間がかかる場合

ソーシャルビジネスの中には、経済や社会を取り巻く環境を分析すれば、いずれはビジネスが拡大して収益を上げられる見込みが高いけれども、それまではかなりの時間を要するというものもあるでしょう。このようなビジネスに取り組む場合、既存の組織で対応するよりも、別の組織を新たに設立し、本体とは切り離した半自立的な組織でソーシャルビジネスに取り組むといいでしょう。この組織に本体からヒト・モノ・カネを支援しながら、長い目でビジネスを育成していくのです。