JR東日本の平成25年度の駅乗車人数ランキングで、新宿、池袋に次いで19年連続3位だった渋谷が5位に転落したとの報道があった。原因としては、東急東横線の渋谷駅が地下化され、東京メトロ副都心線と相互乗り入れし、地上駅のJRに乗り換える客が減少したためであるとされる。以前と比べ、東横線から山手線への乗り換えが格段に不便になり、一方、原宿や新宿駅東口へ向かうなら、直通電車に乗って、地下鉄の明治神宮前駅や新宿三丁目駅で降りた方が便利になる人が多くなったであろうから、納得いく説明であると言える。混雑緩和ということでの直通運転開始であるから、その意味では効果はあったのだ。

 

しかし、JR東日本にとっては、乗客減であろうから、減収につながるのでは?と考える人が多いであろう。乗車人数3位の常連駅が下位に転落したのである。ニュースとしてはセンセーショナルなものとして取り上げられたのも当然と言えば当然であろう。

 

けれども、ここで別の統計を見てもらおう。少し古い資料だが、2012年度のJR東日本の駅別取り扱い収入ランキングというものがあり、これによると1位は断トツで東京駅、以下、新宿、仙台、池袋、大宮、横浜、上野と続き、渋谷は8位なのである。収入額で比べると、渋谷駅は東京駅の3分の1、新宿駅の半分程度にすぎない。

 

理由は簡単で、東京駅は多くの新幹線が発着しているし、仙台駅、大宮駅も新幹線利用客が多いからだ。新宿駅は通勤客に加え、中央線の「あずさ」「かいじ」といった長距離の特急利用客がいるし、横浜駅、上野駅だって特急利用客が多い。それに比べると渋谷駅は乗降客が多いと言っても、ほとんどが短距離の利用客だから、収入は思ったほど多くはないのだ(鉄道に詳しい人であれば、渋谷駅窓口で長距離切符を買うこともあろうが、全体でみると、そうした人は少数派であって、統計的には収入を甚だしく押し上げる要因にはなっていない)。

 

ここで気になるのが渋谷と似たような状況にあると思われる池袋駅だ。新幹線の停車駅ではないし、長距離列車の発着を連想できない人がいるかもしれない。しかし、例えば伊豆方面へ向かう「スーパービュー踊り子」が観光シーズンには複数発着するし、日光方面へ行く「スペーシアきぬがわ」などが何本も発着している。それに成田エクスプレスの始発駅でもあるのだ。それゆえ、意外にも長距離特急列車の利用客がいて、収入額を押し上げているのであろう。