塾に身を置く立場としては、大変ショッキングなニュースが飛び込んできました。千葉のある私立高校の経営が破綻し、給与支払ストップや税金滞納という末期の状態だということが判明したのです。もちろん、生徒たちが今も在籍していて、普通に通学している高校です。以前に私立大学に解散命令が出されたことをこのブログでお伝えしましたが、生徒が在学中の私立中高がなくなってしまうような事態となれば、もちろん全国で初めてのことになります。そんなことにならないように、市や県が援助をすることになると思いますが、学校の理事長自身が経営能力の欠如を認めており、抜本的な学内改革が問われています。

 

ここ数年、一部の人気校や、大学(資金源)がバックについている純粋附属校を除いて、私立中高の経営は大変厳しい状況を迎えています。そういう学校の先生とお会いすると、ほぼ100%の確率で、生徒集めについて窮状を訴えられ、(生徒を1人でも多く受けさせてくれと)懇願されます。社会全体の不景気の状況が足を引っ張っていることはあると思いますが、東京で言うと、都立中高の台頭がその状況に拍車をかけています。(都内10万人の小6生のうち、毎年1万人が都立中を受検するようになりました)

民主党の残した、都立中高の授業料無償化が決定的だったという声もあります。私学の生徒にも、高校では年間12万円の支援金が出ますが、やはり無料のインパクトは強いですし、私立中は何だかんだで年間100万円近くの出費があります。余程経済的に余裕がある家庭でなければ、私立は選ばない時代なのです。

 

この学校がたまたま報道されましたが、経営が限界を迎えている私立中高は多いと思います。少子化で子どもの数が減っている中で、公立高校は統廃合等で数を減らしてきましたが、私立高校の数は20年間ほとんど変わっていません。結果、受験倍率が年々下がり、今は定員割れの私立中高がかなりあります。入学者が定員の半分にも満たない学校が、全国で何と!12%もあるというのです。こんな状況でも、何とか学校が存続できているのは、自治体からの補助金で賄われているからです。昨年の例だと、生徒1人あたり平均32万円が支払われています。私立中高が恐れているのは、生徒の応募数減と共に、補助金の減額なのです。

 

生徒指導を中心とした学校の改革が必要なことは間違いありませんが、学校の場合、いくら経営層だけが躍起になっても、現場の先生たちが変わらないと大きな変化の波は起こせません。(私は学校の先生対象の研修にも出かけることが多いので、今後も微力ながら頑張りたいと思います)また、学校のPR等を広く知らしめようとしても、広告宣伝には莫大な費用がかかるため、結果経営を圧迫してしまうというジレンマもあります。そういう意味で、私学は本当に厳しい局面を迎えているのです。

 

塾の教師として生徒の進路相談に乗る際に、今後は「経営の安定」という項目が大きな要素になってくるのかもしれません。