先日のこと。学生時代、共に理学療法士を目指した友人から電話がかかってきた。なんでも入ってきたばかりの新人が「やり甲斐を見出せないから辞める」と言って退職願を出したという。それに対しどのように思うか?といった内容だった。

 

なぜ、「やり甲斐を見出せないのか?」と問うと理学療法介入により、劇的な回復を促せる時期の患者さんが施設に少なく、状態維持が主となるため、介入にやり甲斐を感じないらしい。

 

私たちリハビリテーション職が関わる患者さんには疾患発症後、もしくは受傷後の期間に応じた、介入時期の区分けみたいなものがある。それが急性期、亜急性期、回復期、生活期というものだ。相談を受けた友人の施設は生活期。著しく回復する時期ではない。また、脳卒中などを発症後、障害度が高く、家族支援に限界がある人が入院されているようだ。そんな方々への介入にやり甲斐がないという。

 

なんとも悲しい話だ。

 

TVなどで放送されるリハビリテーション特集は往々にして劇的な回復を特集したものが多い。「治りたい」「元に戻りたい」という意思は最も尊重されるものであり、そこに注目が集まるのは当然だ。実際、患者さんやその家族を中心に医師、リハビリテーション職などの各医療職が連携をとり、介入した結果、目覚ましい回復を遂げた映像は感動すら覚える。

 

しかし、専門職であるリハビリテーション職がその一面だけにとらわれすぎるのはどうかと思う。医療介護の現場はそんなにドラマティックではない部分が多いからだ。ところが劇的な回復に関わる事が最大のやりがいと感じている若いリハビリテーション職はとても多い。