どんな企業であれ、ライバル企業に対して戦略的に競争優位を築いて、長い間有利にビジネスを進めていこうと考えるのは当然のことといえるでしょう。そのために、企業はコストリーダーシップや差別化、集中などの戦略の中から、自社に最も適したものを取り入れ、具体的な戦術を検討しているのです。

 

確かに業界や市場によっては圧倒的な競争優位を築いて長い間有利にビジネスを展開できている場合もあるでしょう。ただ、多くの業界や市場では、今や競争優位は築けても一時的なものとなっています。いくら戦略が功を奏して競争優位を築けたとしても、その優位性は短期間で崩れ去り、他社に優位な立場を取って代わられているのです。

 

問題をさらに難しくしているのは、今や競争は同じ業界内だけで起こっているわけではないということです。異業種から気付かない間に攻め込まれて競争優位を失っていたということも十分にあり得るのです。

 

たとえば、マクドナルドはかつて原田元社長の時代に、プレミアムローストコーヒーを武器にハンバーガー業界で競争優位を築き、快進撃を続けてきました。

 

ところが、セブンイレブンが100円の淹れ立てコーヒーを店内で販売することになると、顧客はセブンイレブンに流れ、マクドナルドはコンビエンスストアという異業種の攻勢の前に競争優位性を失ってしまったのです。