こうした車両は、鉄道の特性をうまく利用したものばかりだ。飛行機やバスのように、シートベルトで絶えず座席にしばりつけられることなく、車内を気ままに散策できるという列車のメリットを最大限活かしている。自分の指定席はあるものの、絶景スポットが近づけば展望席に移動、見るべき車窓がなくなればショーケースを眺めたり、ソファーでくつろいで飲食を楽しむこともできる。狭いながらも乗客を飽きさせないサービスの数々が一気に花開いたとも言えるかもしれない。

 

ローカル線は、いまや過疎化やクルマ中心社会の影響をまともに受けて苦戦している。そうした中で始まった路線と沿線活性化の取り組みのひとつが「観光列車」運行なのである。わざわざ乗りに行きたくなる楽しい列車。かつてはお座敷列車くらいしかなかったのに、ここ数年で乗り尽くすのが大変なくらいに観光列車は数を増やしている。

 

もっとも、サービスで一番重要なのは、奇抜な設備ではなく、アテンダントなど係員による「おもてなし」だということはポイントのひとつだと思う。JR九州の観光列車が大成功を収めたのも、ユニークなデザイン車両に加えて、いつも笑顔で対応してくれる女性アテンダント達だということを忘れないでいたいものである。