山形新幹線に、「足湯」が楽しめる湯船を備えた特別車両が導入されることになったというニュースが飛び込んできた。速さが売り物で、快適性は二の次と思われている新幹線車両だが、山形新幹線といっても福島から山形を経由して新庄までの所謂在来線区間の話だ。最高時速はせいぜい130km/hどまりだから、各地の在来線で人気の観光列車の一種と思えばいいのかもしれない。

 

それにしても「足湯」とは奇抜な発想だ。観光列車もついにここまできたかと感心してしまう。そもそも、こうしたユニークな車両のアイデアは、JR九州がデザイナーの水戸岡鋭治氏を起用して長年行ってきたことだ。

 

彼の発案した観光列車の車内を見てみると、車内にソファーがあり本棚やショーケースまであって、列車内というよりは応接間にいる気分だ。隣の車両への通路には「のれん」が掛けられ、洗面所の仕切りには簾(すだれ)が使われている。「和」のテイストがふんだんに盛り込まれているのが一つの特色だろうか。

 

由布院や指宿といった温泉地を目指す観光列車のみならず、ビジネス客も多いと思われる九州新幹線の車内も奇抜な仕掛けに満ちている。

 

 

単なる移動手段ではなく、少しでも長い時間乗っていたくなる車両、乗るのが目的の列車というのが、そうした列車の目指すところである。その集大成として昨秋デビューしたのが、豪華クルーズトレイン「ななつ星in九州」で、鉄道ファンのみならず、世間の話題となったのは改めて説明するまでもないだろう。

 

JR九州のこうした取り組みに刺激を受けて、JR各社や地方の第三セクター鉄道などが相次いで個性的な観光列車を登場させている。とくに今年は「観光列車の当たり年」とも言っていいほど新種が目白押しだ。