世界最大のコーヒーチェーンとして知られるスターバックスコーヒー。米スターバックスでは、一部のフローズンドリンクや菓子類に使用されている着色料「コチニール色素」を段階的にやめると発表し、話題になりました。この着色料はどのようなものなのでしょうか。All About「食と健康」ガイドの南恵子さんに伺いました。

 

「コチニール色素はサボテンに寄生する昆虫『コチニールカイガラムシ』から抽出した色素でかまぼこやハム、洋菓子、清涼飲料水などの食品に、またコチニールの化合物(カルミン)は口紅やマニキュアの他、医薬品に幅広く利用されています。日本でもアメリカでも、十分な安全性があると認可を受けて使われている添加物です」

 

日本では、昨年5月に消費庁が「コチニール色素を原因とするアレルギー」について、注意を呼びかけていました。

 

「アレルギー発症の原因となるのは、コチニール色素そのものではなく、色素の原料となる虫由来のタンパク質だと考えられています。日本のコチニール色素と、海外のコチニール抽出物や、化合物(カルミンなど)では、製法も成分も多少異なります。化合物や、あるいはタンパク質除去の精製処理が十分でないものを、食品や化粧品、医薬品などから摂取し続けると、人によりアレルギーにつながる可能性も考えられます。一方国内では、食品添加物としては、低アレルゲンコチニール色素なども開発されています」

 

米スターバックスがコチニール色素をやめると決めたのは、安全性とは関係なかったのでしょうか。

 

「安全性や長い使用経験があるとはいえ、昆虫由来と聞けば、感情としてギョッとする人もいるでしょうし、LOHAS志向やベジタリアン志向の人も増えているので『動物性の添加物は受け入れたくない』という主義の人もいます。スターバックスは、環境への取り組みなども熱心ですし、こうした人の支持を得ているとすれば、彼らのニーズに応たいと考えるのは自然な展開です。あくまで感情的な問題への対応だと思います。」