蓄電池駆動車両は、何も今に始まったことではない。今では新交通システムになっている西武球場付近を走る西武山口線は、かつてSL列車が走っていた頃、同時に「おとぎ列車」と呼ばれた蓄電池動力の機関車が引っ張るミニ列車が走っていた。また、ドイツでも20世紀後半にバッテリーカーがローカル線で活躍していた。しかし、ドイツの場合はコストなどの面で過去のものとなっている。

 

ところが、ここへ来て、近年のリチウムイオン蓄電池の急速な技術革新で、一挙に蓄電池駆動車両が注目を集め、一気に花開いたと言えるのだろう。

 

蓄電池駆動電車は、JR各社でも活発に開発が進んでいる。なかでもJR四国が徳島県でバッテリー電車Smart BESTの試乗会を行ったことが話題となった。なにしろ、徳島県というのは、日本の47都道府県で唯一電車の走っていない県、ディーゼルカーしか乗ることができない県だからだ(沖縄には電気で走るモノレールがあるし、高知県には土佐電鉄が、鳥取県では伯備線や米子以西の山陰本線が電化されている)。

 

徳島県を走った「史上初の電車」の乗り心地はどんなものだったのだろうか。まだまだ、蓄電池駆動電車の全面実用化には時間がかかるだろうが、近い将来、ローカル線の花形であるディーゼルカーやディーゼル機関車も蒸気機関車のように珍しい鉄道車両としてイベント列車の対象になってしまうかもしれない。