このところ、都内に鉄道の新駅を造るという構想が相次いで報道された。ひとつはJR山手線&京浜東北線の田町と品川の間にある車両基地を縮小して再開発する事業にからんでのもの、もうひとつは「虎ノ門ヒルズ」開業に関連して東京メトロ日比谷線の霞が関と神谷町の間に新駅を設けるという構想である。田町~品川間は駅間距離が2.2kmもあり、山手線では最長駅間距離である。駅間距離の平均が1km程度の山手線であれば、再開発地区に新駅を造っても利便性向上に即つながりそうで、それほど違和感はない。

 

一方、霞が関~神谷町は1.3kmしかないのだから、両駅のほぼまん中に新駅をつくるとすれば、0.6ないしは0.7kmほどの駅間距離になる。それでも0.5kmほどの距離は都心では珍しくはないし、近隣の手狭な駅の収容能力を勘案すれば、決して無茶な話ではなかろう。ついでに、都内での鉄道路線(路面電車を除いて)の最短駅間距離を調べてみると、東京メトロ丸の内線新宿~新宿三丁目の0.3kmが一番近い駅間距離である。

 

都心なら駅が多数あっても便利だから、その存在は安泰かというと意外にそうでもない。近頃、華々しく商業施設「mAAch ecute(マーチエキュート)神田万世橋」としてオープンした旧万世橋駅(JR中央線神田~御茶ノ水)は、かつてターミナル駅だったのに、秋葉原など周辺の各駅に押されて乗降客が減り、70年ほど前に休止された不遇の駅だ。他にも、京成電鉄博物館動物園駅(京成上野~日暮里)や東急東横線並木橋駅(渋谷~代官山)などいくつか廃止になった駅があることを知っている人は少ないけれど、様々な要因で大都会においても駅が廃止になることはあるのだ。