先に醸造アルコールのことを、梅酒とかを造るときのホワイトリカーのようなものと言いましたが、あれをそのまま想像してみてください。梅を水に漬けておいたものと、ホワイトリカーに漬けておいたものとだと、香りもエキスもホワイトリカーに漬けた方が良くでてきて美味しいのです。

 

つまり醸造アルコールを添加することによって、味をコントロールしているのです。吟醸酒や大吟醸酒にも醸造アルコールが添加されている理由は、ここにあります。香りをもっと出そうとか、そういう目的になるのですね。

 

よく悪し様に言われる「かさを増すために入れている」のではなく、味の調整のためという意味合いが強いのです。

 

ここまでくると、なぜ『純米酒にアルコールを混ぜて度数を調整した』という表現がひっかかるか、わかった方もいるのではないかと思います。この表現だと、一度搾ってできあがった純米酒に醸造アルコールを「混ぜ」て、色々と調整をしたと読めるのです。

 

酒税法には、こんな記述があります。

 

清酒 次に掲げる酒類でアルコール分が二十二度未満のものをいう。
イ 米、米こうじ及び水を原料として発酵させて、こしたもの
ロ 米、米こうじ、水及び清酒かすその他政令で定める物品を原料として発酵させて、こしたもの(その原料中当該政令で定める物品の重量の合計が米(こうじ米を含む。)の重量の百分の五十を超えないものに限る。)
ハ 清酒に清酒かすを加えて、こしたもの
(酒税法第三条七項より引用)

 

要は、「もろみに醸造アルコールを入れて発酵させた後に濾したもの」は清酒ですが、「できあがったお酒に醸造アルコールを入れて濾したもの」は清酒ではない、というわけです。