「本気でサラリーマンの給料を上げるつもりがあるならコトは簡単、現行法を使ってもっと効果的に賃上げを実現する方法がある。“有給休暇買い取り制度”の解禁だ」

 

……とは、安倍首相の言であるらしい。一見、とても合理的でまっとうな意見だと思われる。でも、これってただの丸投げなのでは? 国の金庫からは一円も出さずに「サラリーマンの手取りを上げて、なんとなく景気が上向きな気分に浸れるよう経営者の皆さん、あとはヨロシクね」みたいな無責任さを私は感じてならないのだ。

 

有給休暇、正確には法定年次休暇の買い上げは、1955年の労働基準局長通達で禁じられている。「労働強化につながり、労働基準法違反に当たる」のが一応の理由だそう。

 

だが、私は本来“有給休暇”とは、きちんと機能さえすれば、休むことが下手な日本人のために有効な制度だと前々から考えていた。しかも、高度成長期やバブル期と比べ、サラリーマンの有給消化率は、じわじわでありながら高くなってきているという。「リア充」なる言葉が持て囃される昨今、若い世代を中心に“正しい休み方”が、ようやく浸透し始めてきた、はずなのに……せっかく長年かけてつくり上げてきた、そんな風潮が元の木阿弥、水の泡ではないか。