「半分あきらめて生きよう」という趣旨のインタビュー記事に心を打たれ、何度か読み返した(日経新聞2013年10月5日夕刊)。臨床心理士の諸富祥彦さんの主張だ。ガンバレと鼓舞するだけでは余計にしんどくなる、あきらめることも肝心だと。私の専門である家計管理で考えてみると、家計にはいくつかの段階があるが、50代の人に、「半分あきらめる」という言葉は、せつなく響くのではなかろうか。

 

これから自分が仕事でどれくらい稼げそうか、自分のキャリアの行く末について想像がつくようになり、公的年金の受給額もほぼ予想がつく。これに現在の資産や家族の状況を合わせると、人生後半の家計、つまりは暮らしの概要が見渡せる時期になる(私はFPという仕事柄、おおよそ想像がつきますが、みなさんはいかがでしょう?)。

 

世の中も人生も、もちろん先のことはわからない。しかし、ほぼ現状が続くとするなら、あきらめることと、あきらめないことの選択をしなければならない。自分には無理なことがはっきりわかったら、それに関しては、もうあきらめる。そうすることで心に平穏が訪れることは、私自身体験しているのだけれど、体力や気力の衰えもあいまって、仕事や日々の暮らしにおいて、まだできることまで、つい、あきらめかけてはいないのか?と自問自答する。