授かり婚(できちゃった婚)の妊婦さんは、産科医の私が勤務する病院でも日常的で珍しくありません。妊娠に至るまでの経緯や、妊娠が分かってからの本人や彼、家族の人間模様はいろいろですが、昔に比べネガティブな印象を持つ方は減っています。

 

最近は、アラサー世代の女性が、意図的に授かり婚を狙ったんだろうなと思えるケースも増えて、家族制度や社会制度の多様化の中では、とても賢い選択だと感じます。人生の選択には旬の時期があり、あまり遅らせるわけにも行きませんし、その選択が正解かどうかは、社会や他人が判断するのではなく、その後の人生で、自分が決めるものです。

 

授かり婚について、産科医としての認識はとてもシンプルです。本来、動物は妊娠してカップルになります。多くの動物が子孫を残すために、メスが優秀と思う相手を選ぶ。オスのクジャクの羽根、鹿の角、極楽鳥の求愛ダンスに限らず、すべての動物のメスが、生きることの主目的として、子孫を残す為の相手を選んでいる。むしろ、授かり婚こそが、正しい順番とも言えます。

 

「人間を動物と一緒にするな、人間は社会的な動物だ」との意見もあるかもしれませんが、“人間は万物の霊長である”という認識は、もはや崩れています。もしかしたら、地球動物の中で人間は、調和を乱す、手に負えない、やくざな動物かもしれません。