ドラマ「半沢直樹」が、テレビ局の制作者も予想できないほどの高視聴率を記録し、日本中の話題になっている。視聴率の面でドラマ「家政婦のミタ」と比較されることが多いが、社会現象として、正に国民的ドラマと言えるのは「半沢直樹」だろう。

 

テレビ番組の制作者は視聴率を上げるために常に知恵を絞り、何百、何千のドラマが制作されてきたが、多くの番組が期待に反し低視聴率となり、テレビドラマ衰退、インターネット時代のテレビ離れなどと解説されてきた。

 

今回の高視聴率については、ドラマ開始2週目以降あたりから、評論家によりその人気が解説されているが、それらは後出しの解説に過ぎない。

 

このような国民的ドラマが成立する過程には、自然のダイナミズムが再現されている。複雑系におけるブレークスルー、「カオスの縁(無秩序と秩序の中間のような状態のこと)」と言われる現象のようなものだ。

 

素材として優れた原作、優れた制作者、優れた役者が、程良いバランスで揃い(どれかが突出しては現象は起きない)、それらがインタラクティブに化学反応を起こし、かつ、今の時代背景で視聴者心理と呼応し、偶然のように現象がわき上がるのである。人間が知恵を絞って狙える成功を越えた現象なのだ。