「仕事中はうつ、プライベートは元気」新型うつの理解されづらい全貌という記事。世界的に使われているDSMという診断基準がある。
2013年5月、バージョンアップしてDSM-5になった。
このバージョンアップで、うつ病であるかどうかを診断する条件から、死別反応が消えた。
どういうことか。
「愛する者を失った後2ヶ月以内の場合は診断されない」という条件が、これまではついていた。
つまり、「愛する人が亡くなったのだから落ち込んでいても、それは正当な悲しみである」というコンセンサスがあった。
ところが、新しい診断基準では、これがなくなった。
愛する人が亡くなって、しばらく落ち込んでいたら、うつ病であると判断されるのだ(DSM-5に従うならば)。

 

ぼくには、理解できない。
愛する人と死別しても、悲しむことが許されない世界になってしまったのか。
そんな世界こそクレイジーではないか。

大うつ病と診断されるには、最低五つの症状がほとんど毎日みられ、かつそれが二週間持続することが必要となる。平日は不調を訴えるのに週末はサーフィンをするというような「うつ」は、そもそも軽症を論じる以前に「うつ病」ではないのである。

(『こころの科学168号』渡邊衡一郎「大学病院・総合病院におけるうつは軽症化しているか」)