「風立ちぬ」いけるぞ興収100億円!「ポニョ」以来邦画5年ぶりという記事に対して、以下のお題である。

宮崎アニメではプロの声優ではない方を起用することが多いですよね。今回は主役にエヴァンゲリオンの監督、庵野秀明さんを起用しています。プロとアマの良さを上手に使い分けているようです。「プロとアマチュアの仕事」は…A.プロとアマの境はもはやないB.プロとアマは全くの別物だという立場を明確にした上で、論を展開していただけますでしょうか。

この問題については、すでに「宮崎駿は、声優のスキルについてどう考えているのか」という原稿で検討したが、再度、別の視点から検証してみよう。

 

アニメ声優のプロは、アニメという表現にぴったりマッチする演技を行うスペシャリストだ。アニメは記号だ。人間を描いても、それは人間の絵であり、人間の記号である。実際の人間はじっと立っていても、わずかにゆれ動いている。ふらふらしている。ところがアニメであれば、ぴたっと静止して立っている人間が描ける。絵だから。アニメーションというのは、そういった輪郭の強さを利点として、さまざまなものを描いてきた。そういったアニメにぴったり合う声は、独特な技術が必要だ。だから、プロフェッショナルがいる。記号性を持った輪郭の強い絵に、ぼんやりとした素の声をあてると、絵と声が遊離してしまう。

 

『風立ちぬ』における庵野秀明の声も、遊離している。輪郭を持ったプロの声ではないからだ。多くの人が、最初に感じる違和感はそのせいだ。だが、宮崎駿監督はそんなこと承知のうえでやっている。