阪急メンズ東京(千代田区有楽町2)とプランタン銀座(中央区銀座3)がタッグを組んで、男女が合コンに着ていくファッションを提案し、デパート内店舗で客同士の合コンを主催する「合コン付きコラボ福袋」を販売する。11月26日、両店が発表した。――銀座経済新聞より。

 
着物屋さんがよく伝統芸能の鑑賞会や和のお稽古を主催しているのを思い出しました。着物もおしゃれな服も日常生活において必要不可欠ではないから、売るほうが着る機会をつくって需要を喚起しているのですね。今までそういうことをしていなかった業界でも、積極的に「合コン福袋」的なものを提案していくようになるのでしょう。書籍もそうなりつつあるような気がします。
 
例えば、新刊が出ると著者のトークイベントが開催されることが増えているんですね。もちろんPRの一環ですが、購入してくれた読者に対する特典という意味合いも大きい。朗読会や読書会も盛んです。「読書のフェス」も開かれました。作家の声を聞いたり、読者同士で交流したりすることによって、本はひとりで読むもの、という意識も変わっていくのかもしれません。
 
わたしも興味がある催し物にはなるべく行くようにしています。昨日はマーセル・セローのトークイベントに行きました。村上春樹訳で話題の『極北』(中央公論新社)の作者です。イベントは『極北』の執筆の背景についての講演と質疑応答、サイン会という構成。奥さんに愚痴を言わないように文句ばっかり書きつけるノートがあって、そこに書いた文章から始まったという話がおもしろかったです。
 
毎日、何挺かの銃をベルトに差し、私はこのうらぶれた街の巡回に出かける。という冒頭の一文。自分とはちがうこのストイックな人は誰だろうと探る感じで書いていったらしい。着想のきっかけの一つに取材でチェリノブイリを訪れたときの体験があり、『極北』の内容自体も偶然ですが3・11後の日本を彷彿させるので、観客からの質問はシリアスなものが多かったです。が、セロー氏は主人公のメイクピースについて「何よりも好きなのは(過酷な状況にあっても)機知を働かせるところと楽観的なところ」と語っていたことが印象に残っています。